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朗読

「音読」と「朗読」の違い

「音読」とは、文章を声に変換することです。

 

「朗読」とは、文章の情景・情感を声によって表現することです。読み手は映写機だと思ってください。聴き手の脳裏にイメージ・映像を映すのが、朗読です。

「朗読」と「読み聞かせ」の違い

「朗読」はストーリーの世界観を壊さないよう、一気に朗読します。一方的に朗読して、聴かせるスタイルです。

 

「読み聞かせ」は聴き手とのコミュニケーションです。聴き手が子供であれば、朗読の合間に、子供たちに質問したり、読み手の感想を挟んだり、子供たちから突っ込みが入ったりします。

想像の余地

文章だけで表現された小説などは、受け手の想像の余地が大きいものです。それらが映像化されると、受け手の想像の余地は小さくなります。

想像の余地.jpg

この図は左にいくほど想像の余地が大きく、右にいくほど想像の余地が少なくなることを表しています。

朗読は文章作品と映像作品の中間に位置します。ある程度の想像の余地を残した状態で、受け手に届けることができます。小説などの原作そのままに音声で届けられることが、表現手法としての特徴です。

ナチュラルに読む

日本語の朗読は、日本語を声に出して読むことができる方なら、誰にでもできることです。「やってみよう」と思った時に、歌唱に比べて、ハードルが低いと言えます。

 

良い朗読とは、聴き手が感動して「もっと聴きたい」「また聴きたい」と思う朗読です。

 

そのような朗読をするためには、スキルが必要です。基礎力・表現力を身に付けなければなりません。

ナチュラルに読む.jpg

様々な職種の方が朗読を披露されていますが、気を付けなければならないことは、本職の影響を大きく受けた朗読になりやすいことです。例を挙げます。

 

アナウンスは、不特定多数の方に「情報」を伝えるのが役割です。正しく情報を伝えるために、明瞭な発音が求められます。

 

そのため、アナウンスを生業にしている方が朗読すると「アナウンス朗読」という状態に陥りやすくなります。朗読がニュースのように聞こえてしまいます。

 

朗読の場合、全てを明瞭に発音することが、必ずしも良いとは限りません。明瞭に発音することで表現できないものがあります。

 

アニメなどのアフレコは、「セリフ」によって、その世界観を表現するのが役割です。キャラクターを表現するために、誇張・強調された声が求められます。いわゆる「アニメ声」です。

 

アニメ声で、日常会話をしているところをイメージしてみてください。不自然ですね。アニメの中では自然に受け止めることができる声も、日常会話の中で使われたら不自然に感じます。

 

朗読も同じで、アニメ声で朗読すると、聴き手は不自然に感じます。違和感は不快感に繋がります。

 

歌唱には様々なジャンルがあり、歌い手の数だけスタイルがあります。

 

朗読にも、読み手の数だけスタイルがあっていいと考えます。しかし、それは、本職のスキルで、そのまま朗読すればよいということではありません。

 

朗読において大切なことは「ナチュラルに読む」ことだと考えます。不自然に声をつくらない、不自然な言い方をしないということです。

 

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