スピーチ・プレゼン・司会
読み方・話し方の基礎
読み方・話し方の基礎には、以下の要素があります。
発音・滑舌
アクセント・イントネーション
強調
スピード
間(ま)
上記を身に付けた上で、表現力(声色・感情・表情・身体表現)を磨くとよいでしょう。
「話す」行為の5つの要素
「話す」という行為は、とても複雑で、難しい行為です。大きく分けて5つの要素があると考えます。
①声力(こえりょく)*私の造語です
声質・声量・発音・アクセント・イントネーション・スピード・間など、声をどう出すか、どんな声で話すかという要素。
②言語力
どの言葉で話すか、どういうセンテンスで話すか、という要素。
③思考力
何を話すか、何を伝えるのかという要素。
④感性・表現力
どんな思いを込めてどう話すのか、という要素。表現力には顔の表情や身体表現も加わります。
⑤心理
話す内容や相手や環境によって、または自身の心の有り様によって変わる要素。
それぞれの要素について、日頃から高い意識を持って、磨いていくことが大切です。
センテンスは短く
コミュニケーションは双方向です。会話ではなく、一方的に読む・話す場合でも、聞き手にきちんと伝わらなければ、コミュニケーションは不成立と言えます。
伝えたいことを、きちんと伝えるためには、伝える工夫をしなければいけません。
伝える工夫の中で、今日からでも実践できる上に、最も大切なことは「センテンス(文)を短くする」ことです。
メールや資料などのように、書かれた言葉であれば、読み手は、わかりづらい箇所が出てきたら戻って読み返し、じっくり理解するということができます。
しかし、スピーチ・プレゼン・司会など、読む・話す場合は、耳で聞く「音の言葉」になります。
書かれた言葉のようにはいきません。聞き手に瞬時に理解して貰わなければいけないのです。
さらに、聞き手が理解できたとしても、音の言葉は、発した途端に消えていきます。すぐに忘れ去られていくのです。
そこで、大切なことが「センテンスは短くする」ことです。一つのセンテンスに一つの情報にしましょう。
すると、聞き手にとって理解しやすいだけでなく、読み手・話し手にとっても、読みやすく、話しやすくなります。
特に、話している途中に「私は何が言いたいのだろう?」となる方は、必ずセンテンスが長くなっています。
センテンスを短くするように心掛ければ、何を伝えたいのか、自ずと明確になるでしょう。
例文を載せます。本当は耳で聞いてもらうと良いのですが・・・
<例文>
私は大学三年生の時、5世紀から12世紀頃にイングランドで使われていて、現在は死語になっている、古英語を勉強しました。
↓
私は大学三年生の時、英語を勉強しました。
英語といっても、現在、使われている英語ではありません。
5世紀から12世紀頃にイングランドで使われていた古い英語です。
古英語と言います。
古英語は現在、死んだ言語、死語と呼ばれます。
*「しご」と聞いた時に、すぐに「死語」が浮かぶとは限りません。「死後」「私語」など、他の言葉が浮かんでしまったら、その時点で、聞き手は理解不能に陥ります。
*「古英語(こえいご)」という言葉を知っている人は、かなり少ないでしょう。一般的ではない言葉は、必ず補足しなければなりません。
*最初の例文は「古英語」を修飾する部分がとても長くなっています。「5世紀から12世紀頃にイングランドで使われていて、現在は死語になっている」が「古英語」に係ってきます。書かれた言葉ならば、文法的な誤りはありませんが、耳で聞く「音の言葉」としては聞き手が理解しづらく、不適切です。